QA・テスト関連ニュースまとめ 2024年9月第2週
イベントやSNS投稿など、話題になったもののまとめです。
イベント
SQiP ソフトウェア品質シンポジウム 2024
今年はオンライン開催!
例年数多くの発表が行われますが、今年はやはり生成AIと絡めた発表が多かったように思います。みな試行錯誤していますね。
個人的に興味深かったのは、(株)AGEST 飯沼 真一 氏による経験論文「生成AIを活用した探索的テストの学習基盤の構築」に関する発表でした。
この論文自体は現時点では非公開のようですが、2022年の同氏の論文「探索的テストの学習基盤の構築 ―探索的テストプロセスの定義―」も非常に読み応えがあります。
その他、SNSで見つけられる範囲で、公開されている資料を貼っておきます。他にも見つけた、または紹介をご希望の方は https://x.com/AutifyJapan/ までお知らせください。
ちなみに、弊社オンラインブースでお待ちしていた所、2名の方にお越し頂きました!来年はもっとたくさん来てくれると嬉しいです!
Forkwell Library #65 テスト自動化実践ガイド
話題の書籍の著者をお呼びして、学びのきっかけを得るためのイベントシリーズ “Forkwell Library” 、今回で65回めです。
弊社の品質エバンジェリスト、末村(@tsueeemura)が「テスト自動化ことはじめ」と題し、7月に出版されたばかりの書籍「テスト自動化実践ガイド - 継続的にWebアプリケーションを改善するための知識と技法」の中から、第1部「自動テストに取り組む前に」の内容をかいつまんでお話ししました。
スライドとアーカイブ動画が配信されています。
ノンプロ研 ノンプロ研 特別公開イベント「ようこそ、ソフトウェアテストの世界へ!」
学習コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」にAutifyの末村がお邪魔して、ソフトウェアテストに関する話をさせて頂きました。
https://plannauts.co.jp/nonproken/
実は末村、ソフトウェアエンジニアとしての仕事を始めたのは30歳になるかならないかぐらいの頃で、それまでは倉庫で商品管理などの仕事をしていました。その頃、独学でVBA(Visual Basic for Application、Excelの自動化などによく使われる)を覚えて事務作業を大幅に効率化したのがきっかけとなり、その後IT業界で仕事をするようになりました。
そうした経緯もあり、VBAやGASなどで自動化し業務を効率化しているノンプロ研の皆さんと一度話してみたいと思っており、コラボを申し出て、今回のイベントが実現したそうです。
参加者の方々はITエンジニアでこそないものの、IT分野について非常に感度が高い方々が揃っており、懇親会も深夜一時近くまで盛り上がったそうです(中には、Appleの新作発表会を見るために二時まで起きていると言っていた方も!)。
イベントの様子は Togetter で垣間見ることができます。
記事
リクルートの大規模開発に学ぶ──"最短最速に全てを賭けた"アーキテクチャとプロセスの発明
Developers Summit 2024 Summer におけるリクルート様の発表。コミュニケーションパスを最適化し、「人月の神話」に代表されるコミュニケーションコストの増大によるコストパフォーマンスの悪化をいかにして技術と設計で防ぐか、というような内容となっており、チーム開発に携わる人には必見の内容でした。
ソフトウェアテストはQA(品質保証)の手段の一つでしかないと言われるけれど、QAってなぁに?
少し前の記事ですが、たまたまTLで回ってきたので。
「狙いの品質」と「出来栄えの品質」、日頃から品質に向き合っている人であれば肌で感じてはいるものの、なかなか言語化されにくい部分なのではないかと思います。これを40年以上前に言語化されている方がおられるというのが素晴らしい。
品質保証の技術そのものは、ソフトウェア・ハードウェアの技術に伴って進歩し続けていると思います。ですが、根幹にある考え方については、40年前の時点ですでに「枯れた」(※良く成熟した)ものであることを知りました。
どんなに優れた書籍であっても、経済合理性の流れの中で廃れてしまうことはありますが、今の時代はこうしてブログという形でエッセンスを受け取りやすくしてくれる方がいらっしゃいます。インターネット時代の温故知新の形ですね。個人的には興味深いので、次の休暇のときにでも図書館を当たってみようかと思います。
今後のイベント
Developers Summit 2024 Kansai
2024/9/18(水)に本町・心斎橋エリアにあるサンライズビル大阪で開催されます。Autifyもブース出展の他、弊社CEOの近澤によるセッション、および品質エバンジェリストの末村によるランチセッション&「テスト自動化実践ガイド」サイン会があります。
Autifyはオフィスが東京・東日本橋にある関係で東京のイベントに出ることが多いので、関西のエンジニアの皆さまとはなかなか対面で話す機会がありません。お会いするのを心より楽しみにしております。懇親会にも参加しますよ!
[estie x MagicPod] 競技プログラマーとソフトウェアテスト
あまり語られることのない組み合わせのイベント。個人的には、競技プログラミング自体がある種の例ベース自動テストの実装であると感じていたので、このトピックが語られること自体が非常に興味深いですね。
東京ソフトウェア QA ミートアップ
Japan Test Community (JTC) というコミュニティが主催するミートアップ。いつもは英語での発表が中心なのですが、今回はオール日本語です。サイボウズさんの会場をお借りして実施します。
例によって(?)Autifyの末村が登壇予定です。デブサミ関西から帰ってきたばかりで目が死んでいる可能性があるとのことですが、そのあたりも含めてお楽しみください。
ところで、JTCといえば、7月に開催されたテスト自動化ハッカソンが記憶に新しいですね。こちらもぜひ第二回を開催して頂きたいです。https://japantestcommunity.connpass.com/event/322507/
Tokyo Test Fest
日本と海外のQAコミュニティの交差点になることを目指した大規模な国際カンファレンスです。少し先になりますが、2024/11/18に東京・両国で開催予定です。Autifyの末村もオーガナイザーの一人として参加しています。全てのセッションは英語で行われ、日本語の同時通訳が入ります。
基調講演は、著名なコンサルタントでありTEDスピーカーでもある Barış Sarıalioğlu 氏と、Jenkinsの開発者にしてLaunchableの共同創業者である 川口耕介 氏が行います。この他にも、非常にバラエティに富んだスピーカー達をゲストとして迎えています。
今ならお得な早割チケットを購入できます(9/15まで)。
ちなみに、TTF本会の前日にはワークショップをやります。こちらはTTFとは別に申込みが必要になります(TTFのチケット購入者は無料、それ以外は2,500円です)。
英語と日本語でそれぞれ別のコンテンツがあります。時間帯が分かれているので、両方参加してみてもいいかも?
- 英語: Elevate Your Testing Strategy: An Introduction to Mutation Testing https://japantestcommunity.connpass.com/event/327166/
- 日本語: AirtestとPOCO テスト自動化フレームワーク https://japantestcommunity.connpass.com/event/327168/
リリースノート
Autify - 2024年9月11日
https://help.autify.com/docs/ja/release-notes-september-11th-2024
いくつか注目のアップデートがありますので、こちらでも取り上げたいと思います。
日本標準時 (JST)でテスト実行が可能になりました! 🕰️
通常、AutifyはUTCタイムゾーン(協定世界時)でテストを実行しますが、テスト対象のサイトやアプリケーションが日本標準時(JST)に基づく想定で動作している場合、シナリオやテストプランの設定を行えば、期待通りの内容をテストすることができるようになりました。
これにより、日本時間を想定しているブラウザやデバイスでしか動作しないサイトやアプリケーションが、Autify NoCode Webで問題なくテストできます。タイムゾーンの違いを気にする必要はもうありません!
実はこの機能、Autify Nocode Web がリリースされた2019年からずーーーーーっとリクエストされ続けていた機能です。様々な技術的制約からリリース出来ずにいたのですが、長きに渡る内部構造の改善により、ようやく皆さまにお届けすることができました。
詳しくは、日本標準時 (JST) テスト実行をご参照ください。
ビジュアルリグレッションテストの差分の許容値設定ができるようになりました 🎨
「対象の見た目が変わらないことを確認する」ステップが使用するビジュアルリグレッションテストの見た目の差分の許容値を、ステップごとに設定できるようになりました!
0%「全く一緒」から100%「全く違う」まで設定可能で、数字が大きければ大きいほど、実際の見た目の差分が大きくても一致していると判断され、ステップが成功します。従来は、0.01%でも差異があるとステップが失敗してしまっていましたが、これからはずっと柔軟に要素の見た目の検証を行えるようになります!
詳しくは、要素に対するビジュアルリグレッションテストをご参照ください。
それでは、来週もお楽しみに!