ソフトウェア開発におけるQAとQCの違いとは?品質の考え方、それぞれの業務内容、有効な資格についてわかりやすく解説!
ソフトウェア開発において、品質は非常に重要な要素です。どれだけ優れた機能が揃っていても、それらの機能がまともに動かなかったり、使いづらかったりすれば、ユーザーは離れていってしまいます。
品質を確保するための手法には、QA(品質保証)とQC(品質コントロール)という2つの異なるアプローチがあります。
この記事では、品質の定義から始め、QAとQCの違い、具体的な業務内容、そしてそれぞれに役立つ資格について詳しく解説します。
そもそもソフトウェアにおける品質とは
QAとQCの違いを正しく理解するためには、まず「品質」という言葉の意味を明確にすることから始めましょう。
品質とは、製品やサービスがどれだけ要求や期待に応えているかを示す概念です。
特にソフトウェア開発においては、品質が単なるバグの有無にとどまらず、ユーザーの期待に応える性能や使いやすさ、そして全体的な体験を含むことを理解することが大切です。
これから、品質の定義とソフトウェア開発における品質の重要性について詳しく掘り下げていきます。
品質の定義
「品質」という言葉は、さまざまな分野で使用され、その定義も幅広いものです。
一般的に品質とは、ある製品やサービスがどれだけユーザーの期待や要求を満たしているか、またはそれを超えているかを指します。
日本品質管理学会規格によると、品質は「製品・サービス、プロセス、システム、経営、組織風土など、関心の対象となるものが明示された、暗黙の、又は潜在しているニーズを満たす程度」と定義されています。
出典:https://jsqc.org/wp/wp-content/uploads/2023/10/JSQC-Std-00-001_yougo.pdf 2.4 品質/質
品質には、基準や仕様を満たすこと、信頼性が高いこと、長期間使用しても性能が維持されることなどが含まれます。
たとえば、自動車の品質を評価する際には、燃費、耐久性、安全性、快適性など、多岐にわたる要素が考慮されるでしょう。
ソフトウェアにおいても、品質の概念は同様に適用されます。ソフトウェアの品質は、バグがないことだけでなく、使いやすさ、性能の高さ、セキュリティ、保守のしやすさなど、多くの側面から評価されます。
つまり、品質は単なる製品の特徴だけでなく、ユーザーの満足度や使用体験に直結する重要な要素となるのです。
ソフトウェア開発における品質とは
ソフトウェア開発における品質は、国際的な規格によって定義されています。
主要な規格としては、ISO/IEC 25010:2011があり、ISO/IEC 25010:2011では、ソフトウェア品質を次のように定義しています。
「システムの品質は,システムがさまざまな利害関係者の明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満足している度合い」(出典:https://kikakurui.com/x2/X25010-2013-01.html)
この定義は、単に製品が技術的な要件を満たすだけでなく、ユーザーの期待や要求にも応える必要があることを示しています。
さらに、ISO 9000:2015では、品質をより広い観点から次のように定義しています。
「対象に本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度」(出典:https://kikakurui.com/q/Q9000-2015-01.html 3.6.2)
ここで重要なのは、「要求事項」という言葉です。これは単に明文化された仕様だけでなく、顧客の暗黙の期待も含んでいます。
これらの定義から、ソフトウェア開発における品質は以下の2つの側面を持つことがわかります。
・製品やサービスが使用目的を満たしている程度
・製品やサービスが顧客の事前期待を満たし、顧客に満足してもらえた程度
特に2点目は、近年のユーザー中心設計(UCD)やカスタマーエクスペリエンス(CX)の重要性の高まりと共に、より注目されるようになっています。
したがって、現代のソフトウェア開発における品質は、技術的な正確性や効率性だけでなく、ユーザビリティ、アクセシビリティ、ユーザー満足度など、より広範な要素を包含する概念として理解されています。
これらの要素を総合的に考慮し、評価することが、高品質なソフトウェア開発には不可欠です。
QA(品質保証)とQC(品質コントロール)の定義
QA(品質保証)とQC(品質コントロール)は、製品やサービスの品質を維持・向上させるために重要な役割を果たしています。
この章では、QAとQCの定義、それぞれの主な役割、そして具体的な業務内容について解説します。
まず、QAの定義と主な業務内容を説明し、続いてQCの定義とその業務内容を詳しく見ていきます。これにより、両者の違いと重要性を理解することができるでしょう。
QA(品質保証)とは
QA(品質保証)は、製品やサービスの品質を確保するための包括的なアプローチです。テスト技術者資格制度(JSTQB)のシラバスでは、QAを次のように定義しています。
「プロセスの実装と改善に焦点を当てた、プロセス指向の予防的アプローチである。よいプロセスが正しく行われれば、よいプロダクトを作ることができるという考えに基づいている。QAは、開発プロセスとテストプロセスの両方に適用し、プロジェクトに参加するすべての人が責任を持つ。」(出典:https://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_VersionV40.J02.pdf →1.2.2 テストと品質保証(QA))
この定義を詳しく見ていくと、QAの本質が浮かび上がってきます。まず、QAは問題が発生してから対処するのではなく、問題を未然に防ぐ「予防的アプローチ」を取ります。これは、製品やサービスの開発過程全体を通じて品質を作り込んでいくという考え方です。
また、QAは製品そのものだけでなく、製品を作り出す「プロセス」に焦点を当てます。つまり、適切なプロセスを設計し、それを正しく実行することで、結果として高品質な製品やサービスが生み出されるという信念に基づいています。
さらに、QAは開発プロセスやテストプロセスなど、製品やサービスに関わるすべての段階に適用されます。これは、品質は特定の段階だけで確保できるものではなく、全体的なアプローチが必要だという認識を示しています。
最後に重要なのは、QAがプロジェクトに参加するすべての人の責任であるという点です。
品質保証は特定の部署や担当者だけの仕事ではなく、開発者、テスター、マネージャーなど、プロジェクトに関わるすべての人が品質に対する責任を持つべきだとしています。
このように、QAは単なる検査や管理ではなく、組織全体で取り組む継続的な品質向上活動です。
適切なQA活動を通じて、最終的な製品やサービスの品質向上だけでなく、効率的な開発プロセスの確立や顧客満足度の向上にもつながることが期待されます。
QA(品質保証)の主な業務内容
QA(品質保証)は、製品やサービスの品質を予防的に確保するための包括的なアプローチです。その主な業務内容は、問題を未然に防ぎ、継続的な品質向上を実現するために多岐にわたります。以下に、QAの主要な業務内容を詳しく説明します。
品質ポリシーやプロセスの策定
QA活動の基盤となる品質ポリシーやプロセスを策定します。これには、組織の品質に対する方針や目標、それを達成するための具体的な手順や基準が含まれます。
この業務は、組織全体の品質に対する姿勢を明確にし、一貫した品質管理活動が可能です。
要件レビューやデザインレビュー
製品開発の初期段階から品質を作り込むため、要件定義やデザイン段階でのレビューを実施します。
これにより、潜在的な問題を早期に発見し、修正コストを削減するとともに、顧客要求に合致した製品開発を促進します。
品質マネジメント計画の作成
プロジェクトごとに適切な品質管理活動を計画し、文書化します。この計画には、品質目標、品質基準、品質管理手法、役割と責任などが含まれ、プロジェクト全体を通じて一貫した品質管理を行うための指針となります。
プロセス監視・改善の推進
開発プロセスや品質管理プロセスを常に監視し、改善の機会を特定します。継続的な改善活動を通じて、より効率的で効果的なプロセスを実現し、結果として高品質な製品やサービスの提供につなげます。
品質に関する教育の実施
組織全体の品質意識を高め、品質管理スキルを向上させるための教育・研修を企画・実施します。これにより、全員参加型の品質保証活動を促進し、組織全体の品質管理能力を強化します。
品質メトリクスの収集と分析
品質に関するさまざまなデータを収集し、分析します。欠陥率、顧客満足度、プロセス効率性などが対象です。データに基づく意思決定を行うことで、効果的な品質改善活動を実現します。
リスク管理
プロジェクトや製品に関連する品質リスクを特定し、評価し、対策を立案・実施します。予防的なリスク管理により、潜在的な品質問題を最小化し、プロジェクトの成功確率を高めます。
QA(品質保証)活動に関する報告
QA活動の成果や課題、改善提案などを定期的に経営層や関係者に報告します。これにより、組織全体で品質状況を把握し、必要な資源配分や戦略的決定を支援します。
これらの業務を通じて、QAは組織全体の品質文化を醸成し、高品質な製品やサービスの継続的な提供を支援します。
予防的アプローチに基づくこれらの活動により、最終的な製品品質の向上だけでなく、開発効率の改善やコスト削減、顧客満足度の向上にも貢献するでしょう。
QC(品質コントロール)とは
QC(品質コントロール)は、製品やサービスの品質を直接的に管理し、確保するための重要な活動です。JSTQB(テスト技術者資格認定制度)のFoundation Levelシラバスでは、QCを次のように定義しています。
「適切な品質の達成を支援する活動に焦点を当てた、プロダクト指向の是正アプローチである。テストは品質コントロールの主要な形式であり、その他に形式的手法(モデル検査や定理証明)、シミュレーション、プロトタイピングなどがある。」(出典:https://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_VersionV40.J02.pdf →1.2.2 テストと品質保証(QA))
この定義から、QCの本質的な特徴が浮かび上がってきます。まず、QCは「プロダクト指向」であり、製品やサービスそのものの品質に直接焦点を当てている点です。つまり、最終的な成果物が期待される品質基準を満たしているかを確認し、管理することを重視しています。
次に、QCは「是正アプローチ」を取ります。これは、品質上の問題を発見し、それを修正することに重点を置くということです。製品やサービスが設定された品質基準を満たしていない場合、QCの活動を通じて必要な修正や改善を行います。
QCの目的は「適切な品質の達成を支援する」ことです。つまり、組織が定めた品質目標や顧客の期待に応える製品やサービスを提供するために、さまざまな活動を行います。これにより、一貫した品質レベルの維持と向上を図るのが狙いです。
また、QCの手法は多岐にわたります。テストは最も一般的で主要な形式ですが、それ以外にもさまざまな手法があります。例えば、数学的な検証を行う形式的手法、製品の動作を模擬するシミュレーション、実際の使用感を確認するプロトタイピングなどです。これらの手法を適切に選択し、組み合わせることで、効果的な品質管理を実現します。
重要な点として、QCはソフトウェア開発だけでなく、製造業でも広く用いられている概念です。特に製造業では、製品の検査、統計的品質管理、工程管理などの形でQCが実践されています。産業分野によって具体的な手法や焦点は異なる場合がありますが、「製品やサービスの品質を直接的に確認し、必要に応じて修正を行う」という基本的な考え方は共通しています。
このように、QCは組織が高品質な製品やサービスを一貫して提供するための鍵となる取り組みです。適切なQC活動を通じて、顧客満足度の向上、コストの削減、そして組織の信頼性向上につながることが期待されます。
QC(品質コントロール)の主な業務内容
QC(品質コントロール)は、製品やサービスの品質を直接的に確認し、管理するための重要な活動です。
QCの主な業務内容は、製品やサービスの品質を確保するための一連のプロセスを含んでいます。以下に、QCの主要な業務内容を詳しく説明します。
(参考:
・https://www.qbook.jp/column/1705.html
・https://smartcraft.jp/blog/quality-control-essentials/
・https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4638#h2_2
)
品質計画
ソフトウェア開発における品質計画では、プロジェクトが達成すべき「品質目標」を明確に設定します。この品質目標は、ソフトウェアが望ましい品質基準を満たしているかどうかを判断するための基準となります。
たとえば、Webアプリケーションを開発する場合、主要なユーザー操作において応答時間が2秒未満であることを品質目標に設定するなどです。
品質測定
品質測定では、ソフトウェアの現状の品質レベルを把握するために測定を行います。この際、「メトリクス」と呼ばれる指標を使用するのが一般的です。
たとえば、コードベースのテストカバレッジを計測することで、コード全体の何パーセントがテストされているかを確認できます。
さらに、ソフトウェアのパフォーマンス、欠陥密度、ユーザー満足度に関連するデータを収集し、可視化することで、品質を定量的に分析できる環境を整えます。
品質分析
品質分析では、品質測定から得られたデータを基に、ソフトウェアの現在の品質状態を評価し、課題や傾向を明らかにします。単に品質目標の達成度を確認するだけでなく、「品質の期待値が低い理由」「他の指標との関連性があるのか」など、さまざまな方向に分析を行います。
例えば、欠陥密度が予想よりも高い場合、その原因を掘り下げて、特定のモジュールがなぜ多くのバグを抱えているのか、コードの複雑さと欠陥の発生との関連性を検討することで、品質の改善につなげることが可能です。
品質評価
品質評価では、品質分析から得られた情報をもとに、ソフトウェアの品質に関する問題点や改善点を明確にします。このプロセスでは、プロジェクト全体の目標や計画も考慮しながら、問題点や改善点に優先順位をつけることが望ましいです。
例えば、特定のモジュールがアプリケーションの重要な機能に関連しており、パフォーマンステストで繰り返し問題が発生している場合、その問題の解決が最優先されるべきです。
品質評価は品質分析と重なる部分が多く、プロジェクトによってその具体的な実施方法や役割が異なることがあります。
品質改善
品質改善は、評価の段階で明らかになった問題点や改善点に対して、具体的な対策を検討し、実施することです。
この対策には、内部構造の最適化を目的としたコードのリファクタリング、開発成果物のフォーマットや運用ルールの見直し、あるいは開発プロセス自体の変更などが含まれます。
たとえば、コードレビューのプロセスがボトルネックになっている場合、プロセスを効率化するために自動化ツールを導入することが考えられるでしょう。
ソフトウェアに関連するすべての要素が品質に影響を与えるため、それらを改善の検討対象に含めることが重要です。
QAとQCの違い
QA(品質保証)は、高品質の製品やサービスを提供するための総合的な取り組みです。簡単に言えば、「よい製品を作るための良い方法を考え、実践する」ことです。
対してQC(品質コントロール)は、製品やサービスの品質を直接チェックし、良い状態に保つための活動です。簡単に言えば、「できあがったものをしっかり確認して、問題があれば直す」という考え方です。どちらも品質を扱いますが、考え方やアプローチが少し異なります。
特徴の違い
QAとQCには、次のような特徴の違いがあります。
作り方に注目 <> 製品に注目
QAは製品そのものだけでなく、その製品をどのように作るかという「過程」を重視します。
QCは、作り方ではなく、実際にできあがった製品やサービスそのものを重視します。
先手を打つ<>問題を見つけて直す
QAは予防的なアプローチで、問題が起きてから対処するのではなく、問題が起きないようにあらかじめ対策を考えます。
QCは、製品やサービスに問題があれば、それを見つけて修正することに力を入れます。
また、QAは製品開発の始めから終わりまで全体で取り組むことと、QAエンジニアのような特定のポジションの人が取り組むのではなくプロジェクトに関わる全員が品質を守る役割を担うのも特徴です。
QCの場合は、適切な品質の達成を支援することがゴールなので、品質基準やお客様の期待を満たすように製品やサービスを確認します。テストや数学的な検証、模擬実験、試作品の確認などを用いて製品の品質を測定し、基準を達成できない場合は問題を特定して改善していきます。
ケーキの作り方で例えると
例えば、おいしいケーキを作る場合で考えてみましょう。QAの考え方では、以下のようなことを行います。
1. 良い材料の選び方や保存方法を決める(先手を打つ)
2. 正確な計量方法や混ぜ方のルールを作る(作り方に注目)
3. 材料の購入から完成まで、すべての段階で品質をチェックする(全体で取り組む)
4. パティシエだけでなく、材料の仕入れ担当者も品質に責任を持つ(みんなで責任を持つ)
5. お客様の声を聞いて、レシピを少しずつ改良する(常に改善)
このように、QAは製品やサービスの品質を高めるために、組織全体で継続的に取り組む活動です。これにより、お客様に喜んでもらえる製品やサービスを効率よく提供することができます。
さて、これをQCのアプローチで考えてみましょう。
1. 焼きあがったケーキの味や見た目を確認する(製品に注目)
2. ケーキが硬すぎたら、レシピを調整して作り直す(問題を見つけて直す)
3. お店の基準や顧客の好みに合っているか確認する(品質目標を達成する)
4. 食べてみる、見た目を写真と比べる、重さを測るなどの方法でチェックする(さまざまな方法を使う)
ケーキ作りとソフトウェア開発とでは具体的なやり方は違いますが、「できあがったものをしっかりチェックして、必要なら直す」という基本的な考え方は同じです。
QAとQCで役立つ資格
QA(品質保証)やQC(品質管理)において、資格取得はスキル向上とキャリアアップに役立ちます。以下の資格は特に有用です。
・JSTQB認定テスト技術者資格
ソフトウェアテストの国際的な基準に基づく資格で、テストの基本技術から高度なスキルまで幅広く対応します。
・JCSQEソフトウェア品質技術者資格認定
ソフトウェア品質に関する専門知識を証明する資格で、品質改善のスキルが評価されます。
・IT検証技術者認定試験
ITシステムの検証技術を習得できる資格で、検証プロセスの効率化に役立ちます。
・QC検定
品質管理の基礎から実践まで学べる資格で、製造業を含む多様な業界での品質向上に貢献します。
以下でそれぞれどのような資格か説明していきます。
1.JSTQB認定テスト技術者資格
「JSTQB認定テスト技術者資格」は、ソフトウェアテストの専門家を育成し、品質保証全体に関する広範な視点を持つための資格です。
資格を取得した者は、テストエンジニアやQA担当者としての役割に加え、品質保証の戦略的側面を理解し、実践する能力も備えています。
QAエンジニアとテスターの役割は、企業や業界によって異なるため、JSTQBはFoundation Level、Core Advanced、Specialistといった複数のレベルを提供し、それぞれの専門性を深める機会を提供しています。
さらに、アジャイル開発の進展にも対応しており、最新のトレンドを反映した内容です。
この資格は、単にテストを実施するだけでなく、品質保証のプロフェッショナルとしての地位を強化するため、需要がますます高まっています。
2.JCSQEソフトウェア品質技術者資格認定
JCSQE(Japan Certified Software Quality Engineer)は、日本で提供されるソフトウェア品質技術者向けの認定プログラムです。
このプログラムは、日本品質協会(JUSE)が運営しており、ソフトウェア品質の向上を目的としています。
2023年には約650人が受験し、合格率は54%に達しています。つまり、半数以上の受験者が合格しているということです。(出典:https://www.juse.jp/jcsqe/past/)
JCSQEの資格は、ソフトウェア開発における品質保証やテストに関する専門知識を証明するものであり、多くの企業やプロフェッショナルにとって非常に重要な資格です。
3.IT検証技術者認定試験
「IT検証技術者認定試験」は、日本でのIT検証技術者向けの資格を認定する試験です。
この試験は、一般社団法人 IT検証産業協会(IVIA)が運営しており、ソフトウェアテストや検証のスキルの向上を目的としています。
受験者数の増加が示すように、IT業界におけるこの資格の需要と認知度が高まっています。
2023年の試験では、受験者数が551人で、合格者が318人(57.7%)という結果でした。合格率は安定しています。
この資格は実務における基準となり、IT検証技術者のキャリアの成長と信頼性の向上に寄与しています。(出典:https://www.ivia.or.jp/item43/item46)
4.QC検定
「QC検定」は、品質管理のスキルを認証する日本の試験です。
この試験は、日本規格協会と日本科学技術連盟が主催し、一般社団法人 日本品質管理学会からの認定を受けています。
試験の合格率は、内容の広範さに応じて異なり、試験の階級が上がるにつれて合格率が約20%低下する傾向があります。(出典:https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/36Cr8yXW3E.pdf)
QC検定は、品質管理の分野での能力を示す重要な資格であり、組織やプロジェクトの品質改善に貢献することが期待されています。
QAとQCで役立つ資格についてもっと詳しく知りたい方は、「QA業務に役立つおすすめ資格とは?必要な知識やスキル、向いている人の特徴などをわかりやすく解説!」の記事が参考になりますので、合わせてご覧いただくとよいでしょう。
まとめ
QAとQCは、どちらもソフトウェア開発において不可欠な役割を果たします。
QAは品質を予防的に保証するプロセス全体の管理を行い、QCは製品が定められた基準を満たしているかを検証する役割を担います。優劣があるものではなく、状況に応じて使い分けることでユーザーの期待に応える高品質なソフトウェアを提供できるでしょう。
また、適切な資格を取得し、専門知識を深めることで、QAおよびQCのプロフェッショナルとして成長することができます。
この記事が、読者の皆さまにとってソフトウェア品質の向上の一助となれば幸いです。