負荷テストとは?自動化ツールでCPU・メモリの限界を見極めるやり方とおすすめツール

「負荷テストはどのようなテストか。性能テストとどう違うのか」
本記事はそのような疑問をお持ちの方に負荷テストの基本、実施メリット、課題などを解説します。負荷テストは、システムやアプリケーションに一定以上のアクセスや処理要求を与え、性能を確認するテストです。欠かせないプロセスであるため、課題の解決策の1つとして、効率化による対応が求められます。
負荷テストの基本
負荷テストは、システムやアプリケーションに一定以上のアクセスや処理要求を与え、性能を確認するテストです。
本章では、負荷テストの基本と違いがわかりにくい性能テストとの比較を解説します。
負荷テストとは
負荷テストとは、システムやアプリケーションに一定以上のアクセスや処理要求を与えることで、性能を検証するテストです。
安定したサービスを提供するには、処理能力や応答性に関するリスクを事前に把握・可視化しておくことが重要です。負荷テストを実施することで、こうしたリスクの特定と評価が可能になります。
例えば、Webアプリケーションに対して同時アクセス数を段階的に増やし、どの程度の負荷まで正常に応答できるかを確認する、といった方法が挙げられます。この際に測定される主な指標は以下の通りです。
- レスポンスタイム
- CPU使用率
- メモリ消費量
- スループット(処理件数)
これらの指標を確認することで、どのような処理やアクセス状況において性能の限界に達するのかを把握できます。
負荷テストは、リリース前の最終確認としてだけでなく、障害対応後の検証や、継続的なパフォーマンス監視にも欠かせない重要な工程です。
性能テストとの違い
性能テストとは、システムの応答速度や処理能力があらかじめ定められた要件を満たしているかを確認するテストです。
性能テストでは、通常時の動作に加え、アクセスの集中やリソースの逼迫といったさまざまな状況下で、システムの応答性や安定性を評価します。中でも負荷テストは、システムに高負荷をかけて限界に近い状態での挙動を確認するテストです。
このように、性能テストには複数の種類があり、負荷テストはその一部です。両者を完全に別のものとして捉えるのではなく、負荷テストは性能テストの中の一領域として理解するのが適切です。
負荷テストの重要性
負荷テストは、サービスの安定稼働を行うために不可欠な工程です。
その理由として以下2点が挙げられます。
- 需要が増加したときを見越したテストができる
- 障害による機会損失を防ぐ
需要が増加したときを見越したテストができる
負荷テストは、将来的に需要が増加する状況を見越した準備として、重要な役割を担います。
サービスの提供において、アクセスの急増が予測されるタイミングはある程度想定できます。例えば、サービスの公開直後、キャンペーンやセール期間などのイベント開催時などがその代表例です。こうした時期には、通常の何倍ものアクセスが発生し、システムに大きな負荷がかかります。このような状況下での障害は、ユーザー離脱や機会損失につながるため、事前の負荷テストによる備えが欠かせません。
負荷テストを実施することで、どの程度のユーザー数や処理要求にまで耐えられるかを把握できます。また、限界に達した際にどのような挙動(例:レスポンスの遅延やシステムの不安定化)が発生するかを事前に確認しておくことで、実際のトラブル対応にも役立ちます。
このように負荷テストを行うことで、予期される高負荷の場面でも安定したパフォーマンスを維持できる体制を整えることができます。
障害による機会損失を防ぐ
負荷テストは、システム障害による機会損失を未然に防ぐ上でも、重要な役割を果たします。
システムに高い負荷がかかり、サービス停止や処理の遅延が発生すると、本来得られるはずだった売上やコンバージョンを失う可能性があります。せっかくサイトにアクセスし、アクションを起こそうとしていたユーザーの期待を裏切ることにもなりかねません。
例えば、ECサイトが決済直前にダウンしてしまった場合、その時点での売上を失うだけでなく、ユーザーの信頼を損なうリスクもあります。
事前に負荷テストを実施しておくことで、システムのどの部分が高負荷に弱いかを把握できます。その結果、適切な対策を講じることで障害の発生を防ぎ、安定したサービス提供が可能になります。
結果として、システム障害によるビジネスチャンスの損失も最小限に抑えられるでしょう。
負荷テストの種類
負荷テストには、目的や検証内容に応じてさまざまな種類があります。具体的には以下の種類です。
- ストレステスト
- スパイクテスト
- 耐久テスト
- 拡張性テスト
ストレステスト
ストレステストは、システムに通常では想定されないほどの高負荷を与え、その限界を確認するテストです。
システムが高負荷状態の場合に、どのような挙動を示すか、またリソースが枯渇した際にどのようにエラー処理が行われるかを評価する目的で実施されます。
以下が具体例です。
- システムへの同時接続数が急増した際にレスポンスが極端に遅くなる
- 一定数を超えると接続エラーが返される
- CPUやメモリ使用率が100%に張り付くとアプリケーションがクラッシュする、など
このテストによって、性能劣化が起こり得るタイミングや障害発生時の動作、復旧プロセスが適切かどうかを事前に検証できます。
スパイクテスト
スパイクテストは、短時間に急激の負荷が増大した場合に、システムがどのように反応するかを検証するテストです。
例えば、SNSでの話題拡散やセール開始直後といったタイミングで、想定外の急激な負荷増大に対応できなければ、機会損失となってしまいます。
機会損失に陥る事態を防ぐため、スパイクテストで、事前に急激な負荷変動を確認しておきます。特にクラウドベースのシステムでは、オートスケーリング設定の妥当性を確認するためにもスパイクテストが有効です。
耐久テスト
耐久テストとは、一定の負荷を長時間にわたってシステムにかけ続け、安定性やパフォーマンスの劣化が発生しないかを検証するテストです。
一般的には、数時間から数日間にわたる連続アクセスを想定したテストが行われます。
このテストでは、主に以下の点を確認します。
- 時間の経過とともに発生するメモリリークや接続数の増加
- 長時間アクセスの継続によるパフォーマンスの低下
- ログの肥大化によるストレージ容量の圧迫や枯渇 など
これらの問題は、短時間のテストでは見逃されがちです。そのため、長期運用を前提としたシステムでは、耐久テストによる長時間稼働時の挙動を事前に把握し、安定稼働に向けた対策を講じておくことが不可欠です。
拡張性テスト
拡張性テストとは、システムの性能が負荷の増加に応じてどれだけスケーラブルに向上するかを確認するテストです。
このテストでは、ユーザー数やアクセス数の増加に対して、システムの処理能力が比例して向上するかどうかを検証します。
例えば、先述のスパイクテストのようにアクセスが急増した際に、必要に応じてシステムが拡張(スケールアップ/スケールアウト)できるかを確認します。一方で、アクセスが落ち着いた際にスケールダウンを行い、リソースを適切に最適化できるかも評価の対象となります。
拡張性が十分でない場合、リソースを追加しても性能が頭打ちになる、またはリソースを効率的に活用できないといった問題が発生する可能性があります。拡張性テストを実施することで、将来的なユーザー増加を見据えた柔軟なシステム運用が可能となります。
負荷テストの進め方
負荷テストはシステムに負荷をかけて完了ではありません。以下の流れで実施することで、本来の負荷テストの目的であるシステムの安定運用につなげやすくなります。
- 計画・準備
- テスト設計
- テスト環境構築
- テスト実施
- テスト結果確認
計画・準備
負荷テストの最初のステップは、目的を明確にし、テストの対象範囲を定める計画工程です。
まずは負荷テストによって検証したいことを明確にしましょう。例えば、ストレステストか、スパイクテストかによって実施内容が異なります。その上で、どのシステムにどの程度の負荷をかけるのか、対象システムや評価指標を決めなければなりません。
加えて負荷テストに向けた準備として、関係者との調整やスケジュール管理が必要です。テストによって本番環境や共有環境に影響を与える可能性があるため、事前に影響範囲や実施タイミングを整理しておきましょう。
テスト設計
テスト設計は、実際の利用状況を踏まえたシナリオを作成する工程です。
起こりそうもない利用状況のテストは、現実的な検証が行えません。テスト設計をすることで、実践的な負荷テストになります。
設計時に検討・決定すべき項目の例は以下の通りです。
- どの画面やAPIを対象にするか
- 何人のユーザーがいるのか
- どのような操作を行うか
上記をシミュレーションして現実に即したシナリオを作成しましょう。
またレスポンスタイムやエラー率など、合否を判断するための指標も設計時点で決めておくべきです。
関連記事:テスト設計の基本から実践まで!よくある課題と解決策、効率化のコツ
テスト環境構築
テスト設計を行ったら、実施前の準備としてテスト環境を構築します。
負荷テストを実施するには、たとえテスト環境であっても、本番に近い構成が不可欠です。サーバーの台数、ネットワーク帯域、データベースの設定などは、本番環境とできる限り揃えておく必要があります。
また負荷テストに使用する計測用のモニタリングツールやログ収集の仕組みも準備しましょう。リソース使用率や処理時間などをリアルタイムで確認できると、後続の分析を行いやすくなります。
テスト実施
テスト実施工程では、事前に設計したシナリオに基づいて負荷テストを実行します。
負荷テストでは、想定した負荷条件をシステムに与えながら、応答状況や障害の有無を観察します。この際、応答時間、CPU使用率、メモリ使用量などの各種メトリクスを取得することが非常に重要です。異常が発生した場合は、ログやアラートをもとに迅速に原因を特定しましょう。
また、テストツール自体が計画通りの負荷を発生させているか、エラーが出ていないかも必ず確認してください。ここが正確でないと、テスト結果の信頼性が損なわれ、設計意図と異なる検証となってしまいます。
テスト実施は単なる動作確認ではなく、本番環境を想定した重要な検証工程です。戦略的かつ精密に取り組むことで、より実践的な成果を得ることができます。
テスト結果確認
テスト完了後は、収集したログやモニタリングデータをもとに、システムの応答状況やボトルネックを詳細に分析します。
特に注視すべき主要な指標は、以下のとおりです。
- 同時接続ユーザー数
- スループット(単位時間あたりの処理件数)
- CPU使用率
- メモリ使用量
- エラー率
負荷テストで最も重要なのは、単にテストを実施することではなく、結果から課題を読み取り、どのように改善につなげるかという点です。
たとえば、「同時500ユーザーによるアクセスシナリオ」で、初期の平均応答速度は200msだったにもかかわらず、一定時間経過後には800msまで悪化し、そのタイミングでCPU使用率が90%を超えていたとします。
このような結果からは、CPUに依存した処理にボトルネックがあると判断でき、処理の最適化やスケーラビリティの向上が必要であるといった、具体的なアクションにつなげることができます。
負荷テストは、システムが「動作するかどうか」だけを確認するものではありません。どの程度の負荷に耐えられるのか、応答性に影響する箇所はどこか、性能の限界や課題を明らかにするための重要なプロセスです。
正確な結果分析をもとに、持続的な改善サイクルを実現しましょう。
負荷テストの実施方法
負荷テストの実施方法には以下の3パターンがあります。
- 負荷テストツールを使用する
- テストスクリプトを作成して実施する
- 外注する
負荷テストツールを使用する
負荷テストの代表的な手法は、負荷テスト用ツールを使う方法です。
負荷テスト用ツールには無料でも使えるものが多く存在します。代表的なツールとして以下があります。
- Apache JMeter
- Gatling
- k6
- LoadRunner
- BlazeMeterなど
負荷テスト用ツールの選定は、使いやすさやスクリプトの柔軟性、レポート機能の有無などを基準に行いましょう。例えば、JMeterは無料かつプラグインが豊富ですが、UIがやや複雑です。一方で、クラウド型の負荷テスト用ツール(サービス)はインフラ構築が不要で、即座にグローバルからの負荷も試せますが、コスト面がかかります。
ツールの導入により、役割に合わせた多様な条件での負荷テストが可能です。
テストスクリプトを作成して実施する
負荷テスト用ツールでは実現が難しいシナリオに対応する場合、独自にテストスクリプトを作成する方法があります。
テストスクリプトを作成すれば、自社だけで独自のテストを行い、性能の確認、担保が可能です。例えば、PythonやJavaScriptなどのスクリプト言語でHTTPリクエストを発行するコードを書くことで負荷テストを実現できます。
テストスクリプト作成は自由度が高いことがメリットですが、スクリプト作成・保守の負担や、並列実行環境の整備などのデメリットがあります。
外注する
自社で負荷テストツールを十分に使いこなせない場合や、テストスクリプトの作成が難しい場合は、負荷テストを外部に委託(外注)するという選択肢があります。
外注を活用することで、専門知識を持つ委託先に、テストの設計・実施・分析までをワンストップで任せることが可能です。これにより、社内工数を最小限に抑えつつ、高品質な負荷テストを効率よく実施できます。
また、外注が有効なもう1つのケースとして、第三者による客観的な評価が求められる場面が挙げられます。例えば、重要なサービスリリース前や大規模なシステム導入時など、社内だけでの評価では信頼性が担保できない場面では、外部機関による検証が有効です。
ただし、外注には一定のコストがかかるほか、業務内容のすり合わせや要件の共有といったコミュニケーション工数も必要になります。そのため、予算とのバランスを考慮した上で、委託先との連携体制をしっかり構築することが重要です。
関連記事:第三者検証とは?ソフトウェア品質を加速させるパートナーシップと選び方
負荷テストのプロセスにおける課題
負荷テストは重要なプロセスですが、実施にあたり課題も存在します。具体的には以下の通りです。
- テスト環境構築の負担が大きい
- 現実に即したシナリオ設計が難しい
- 実施負担が大きい
- 結果分析に専門知識が求められる
テスト環境構築の負担が大きい
負荷テストの実施には、本番環境と同等のテスト環境構築が必要です。
負荷テストをするにあたり、本番環境とは程遠い環境で実施しても、必要な見解を得られません。よって本番環境と同等のテスト環境を用意する必要がありますが、企業には大きな負担になります。特に分散システムやクラウド基盤を活用している場合、テスト環境の構築は容易ではありません。
またネットワーク設定や認証・認可、バックエンドの依存サービスも再現しなければ、本当に必要な検証ができない負荷テストになってしまいます。
構築にかかる時間はもちろん、ライセンスやインフラの費用も2倍になり「テスト環境にそこまでのコストをかけたくない」というのが企業の本音でしょう。
テスト環境構築の負担が大きいことで、負荷テストが後回しになったり、環境構築の簡略化により正確性が損なわれたりするケースがあります。
現実に即したシナリオ設計が難しい
負荷テストは、現実に即したシナリオ設計が難しい課題もあります。
実際のユーザー行動や業務処理を模したテストシナリオの作成は難しいものです。しかし、実運用に即したリアルなアクセスパターンや同時実行数でなければ、検証の効果は薄くなってしまいます。
テスト設計が曖昧であると、テスト結果が現実と乖離し、意味のない評価になってしまうおそれがあるので、慎重なテスト設計が重要です。
実施負担が大きい
負荷テストは、実施にも多くの時間と労力を要します。
準備だけでも、テスト環境の構築に加え、シナリオの作成やツールの操作が必要です。そしてテスト中は、各種メトリクス(CPU使用率、メモリ消費、レスポンスタイムなど)をリアルタイムで監視するため、実施チームには多岐にわたるスキルが求められます。
負荷テストは一度で終わるものではなく、設計内容や項目を見直しながら改善していく必要があるため、継続的な負担も大きいです。
小規模な開発チームや予算が限られたプロジェクトでは、負荷テストそのものが実施できないケースも出てくるでしょう。
結果分析に専門知識が求められる
負荷テストにおける課題の1つが、結果分析に高度な専門知識が必要となる点です。
負荷テストの結果は、単なる数値の羅列ではなく、その背後にある要因を読み解き、正しく解釈・判断するスキルが求められます。例えば、「同時接続数が500を超えるとレスポンスが急激に遅延する」という結果が出た場合、考えられる原因として以下のような要素が挙げられます。
- アプリケーションの処理ロジックの非効率性
- データベースの処理能力の限界
- ネットワーク帯域の逼迫
こうした要因を見極めるためには、システム全体のアーキテクチャへの深い理解や、各種モニタリングツールから出力されるデータを適切に読み解くスキルが欠かせません。
結果分析が不十分だと、誤った仮説に基づいて改善策を講じてしまい、問題の根本解決に至らないリスクがあります。そのため、負荷テストを効果的に活用するには、担当者のスキルと経験が非常に重要な要素となります。
負荷テスト自動化ツール導入のメリット
負荷テストは手作業だと多くのコストが必要です。
そこで自動化ツールを導入し、負荷テストの実施効率を向上させれば、コスト削減はもちろん、属人化を防ぐメリットも期待できます。負荷テストは実施して終わりではなく、発見した課題を改善し、リグレッションテストを行うサイクルが重要です。AIを活用したノーコードのテスト自動化ツールのAutifyは、この改善サイクルの効率化により、負荷テストの真の価値を最大化するツールとして活用できます。
負荷テスト自動化ツール導入のメリットは以下があります。
- 作業工数の大幅な削減
- 複数パターンの高速実行
- テスト結果の一元管理と可視化
作業工数の大幅な削減
負荷テスト自動化ツール導入により、作業工数の大幅な削減が可能です。
手動による負荷テストでは、準備から実施、結果分析までの一連の作業を人手で行う必要があります。大きなコストを要しますが、複数回の反復テストや条件を変更した再テストが発生する場合、その都度人的リソースが拘束される点が課題です。
自動化ツールを導入すれば、こうした作業の大部分をツール側で処理できます。あらかじめスクリプトや条件を設定しておけば、ボタン1つで複数回の負荷テストを繰り返し実行可能です。
自動化ツールの導入により、担当者は分析や意思決定に集中できるようになり、従来の手作業と比較して数倍の生産性を実現します。
複数パターンの高速実行
負荷テスト自動化ツール導入は、複数パターンの高速実行も可能です。
手動で異なる負荷パターンを試すには、その都度設定を変更して確認する必要があり、作業に手間と時間がかかります。作業者に大きな負担がかかる上、ミスも起こりやすいです。一方で自動化ツールを活用すれば、一度の登録により一連のテストケースを連続または並行して実行できるため、圧倒的なスピードでテストを回せます。
例えば、通常時のアクセス、キャンペーンやセール時期のアクセス集中など、状況に応じたパターンを用意しておき、それらを短時間で自動実行することが可能です。
複数パターンの高速実行ができることで、負荷テストに必要な期間を短縮できます。
テスト結果の一元管理と可視化
負荷テスト自動化ツールを導入すると、テスト結果の一元管理と可視化ができます。
負荷テストを繰り返し行うと、結果の蓄積や比較が煩雑になりがちです。どの条件で実施した結果なのか、以前との違いはどこか、分析を手動で行うのは非効率であり、ミスも生じやすいでしょう。
自動化ツールでは、実施した各テストのログやメトリクスを一元的に保存します。可視化機能で、グラフやダッシュボードによって視覚的に確認できると、改善に向けた行動につなげやすいでしょう。
リアルタイムで結果を確認でき、意思決定の迅速化につながるため、負荷テスト自動化ツールは有効です。
負荷テストと連携し、品質サイクルを加速させるE2Eテスト自動化
負荷テストでシステムの限界を把握し、ボトルネックを解消するだけでは、品質保証は完了しません。修正によるデグレード(意図しない不具合)を防ぎ、継続的に品質を維持するサイクルを回すことが不可欠です。
ここに、AIを活用したE2Eテスト自動化プラットフォーム「Autify」が大きな価値をもたらします。Autifyは直接的な負荷テストを行うツールではありませんが、負荷テストの前後工程と密接に連携し、開発全体の生産性を飛躍的に向上させます。
1. 負荷テスト後の「リグレッションテスト」を自動化
負荷テストで発見された問題を修正した後、その変更が既存の機能に悪影響を与えていないかを確認するリグレッションテストが必ず発生します。この手動では非常に工数がかかるテストをAutifyで自動化すれば、開発のスピードを落とすことなく品質を担保できます。
2. 負荷テストの「シナリオ作成」を効率化
現実的な負荷テストを行うには、リアルなユーザー操作を模したシナリオ設計が重要です。Autifyで作成・管理しているE2Eテストのシナリオは、ユーザーの一連の操作を具体的に記述したものです。これを負荷テストのシナリオを設計する際のベースとして活用することで、準備工数を大幅に削減できます。
3. クラウド型ならではの導入の容易さ
Autifyはクラウドベースのサービスのため、すぐにテスト自動化を開始できます。負荷テストで課題が見つかった後の品質保証体制を、インフラ構築の手間なく迅速に立ち上げることが可能です。
負荷テストの課題解決だけでなく、その後の品質維持プロセスまで見据えるなら、AutifyのようなE2Eテスト自動化の導入が、持続可能な開発体制の鍵となります。
まとめ
負荷テストは、システムやアプリケーションに一定以上のアクセスや処理要求を与え、性能を確認するサービス安定稼働に不可欠なテストです。負荷テストを実施すれば、運用開始後の普段のアクセス状況に際したシミュレーションはもちろん、高負荷になった際の限界点やボトルネックを事前に把握できます。
しかし、負荷テストの実施とその後の品質維持には、環境構築やシナリオ作成、繰り返し行うリグレッションテストなど、大きな負担が伴います。
こうした課題を解決し、持続可能な品質保証体制を築くためには、負荷テスト単体の効率化だけでなく、開発サイクル全体を見据えたアプローチが重要です。AIを活用したE2Eテスト自動化プラットフォーム「Autify」は、負荷テスト後の品質維持サイクルを自動化し、開発全体の生産性を高める強力なパートナーとなります。Autifyと共に、本当に強く、安定したサービス品質を実現しませんか。